日本でもおなじみの坦坦麺は、発祥地である中国の四川省では「汁なし」スタイルがポピュラー。
唐辛子の辛さに加えて、しびれる辛さが特徴の四川山椒を効かせ、上にそぼろや青ネギをかけ、トッピングに温泉卵や白菜、セロリなどをのせている店も。
広島では10年ほど前から専門店が増えはじめ、今では広島市内だけでも30店以上が軒を連ねています。麺と具、タレをよくかき混ぜてから食べるのが広島スタイルで、麺を食べ終わったら、残ったタレにライスを混ぜて食べるのがおすすめです。
海上自衛隊では多くの部隊で毎週金曜日の昼食にカレーが食べられています。その理由は諸説ありますが、長く航海している隊員が曜日感覚を忘れないようにするためという説があります。どのカレーも調理員が隊員の健康のために工夫を凝らしたこだわりの一品であり、海上自衛隊の隊員だけが味わうことができるものです。
「呉海自カレー」は、海上自衛隊・呉基地に所属する艦船等で食べられているカレーを呉市内の飲食店で提供するという取り組みです。各店では海上自衛隊の調理員から直接作り方を教わっており、各隊の隊員が食べているカレーを忠実に再現しています。
三原市は瀬戸内海有数のマダコの産地。三原沖は穏やかな瀬戸内海の中でも水の流れが激しい海域で、流されないように必死で岩にへばりつくため、三原タコの足は短くて太く、引き締まった歯ごたえが楽しめます。
昔からタコ漁が盛んな三原は、伝統タコ壺漁を生業とする町だからこそ、タコのおいしさや調理法を追求したタコ料理が満載です。市内では、刺身・タコ飯をはじめとするフルコースから、お好み焼き、麺料理、スイーツまで、多種多様な食べ方でタコ料理を楽しめます。
「あれ? おかずはどこ?」
実はこれ、こう見えても立派な料理なんです。瀬戸内海産のいりこから丁寧にとっただし汁に、福山の海の幸・山の幸を、福山のお米で埋(うず)めた、その名も「うずみごはん」。
「うずみ」は江戸時代の倹約政治の下、ぜいたく品とされた鶏肉や海老などの具をご飯の下に隠して食べたのが始まりと言われている郷土料理です。
旬を迎えた美味しい具を掘り出して食べる楽しさは、宝探しのようなワクワク感も味わえ、まさに掘り出せ!旬の福。また、瀬戸内海沿岸の中央に位置する福山・鞆の浦(とものうら)には、毎年5月頃、産卵場所を求めて真鯛が集まります。この時期の真鯛は「桜鯛」とも呼ばれ、脂の乗った身は味も格別です。その鯛を使用した「福山鯛うずみ」は風味が一層豊かで、「うずみ」の中でも代表格の存在です。
福山にお越しの際はぜひ「福山うずみごはん」をどうぞ!
備後府中焼きは、府中市で昔から愛され続けているミンチを使ったお好み焼きです。
戦後の高度成長期に、工業都市(ものづくりのまち)として栄え、共働きの家庭が多かったため、子どものおやつとして、また、お爺ちゃんお婆ちゃんの夕食として、安く旨みが出るミンチを使ったお焼きが始まりと言われています。
府中人は、「お好み焼きで育つ」とまで言われ、各家庭には“御用達の店”があり、第2の台所としてお昼ごはんや残業の合間、ちょっと小腹がすいたときに利用します。
ただ空腹を満たすだけの存在ではなく、府中の人たちが大事に引き継ぎ見守っているソウルフードが、備後府中焼きです。
ミンチの脂で外は“カリッ”と、中は“フワッ”とした焼き上がりが特徴です。
手頃な値段も魅力で、府中市内には約40軒のお好み焼き店が営業中です。
ワニは山間部の広島県三次市ならではの郷土料理として親しまれてきました。三次地域での「ワニ」とは「サメ」のことです。
かつての三次市では、比較的日持ちのしやすいワニの身は、山間部で食べられる貴重な魚として重宝されていました。一番おいしい時期は、身がしまった秋から冬にかけてで、お正月などのおめでたい席で食べられるおもてなし料理としても親しまれています。
生で食べたり焼いて食べたりワニの調理法はさまざまですが、もっともポピュラーな食べ方は刺身です。柔らかい食感であっさりとした味が特徴です。最近では、刺身だけでなく、わにバーガーなどの創作料理に加え、わにプリンやわにサブレなどのスイーツも人気です。
東広島市西条は兵庫の灘、京都の伏見と並び称される銘醸地のひとつとして知られており、酒造りが大変盛んな町です。そんな西条の酒蔵で働く蔵人のまかない料理として親しまれてきたのが美酒鍋です。
塩とコショウと日本酒だけで味付けをしたこの料理は、酒造りの作業の合間に食べても利き酒に影響が出ないように、シンプルな味付けとなっています。作業服がビショビショになることが多いことから、蔵人のことを「びしょ」と呼び、その蔵人が食べることから「びしょ鍋」と呼ばれるようになったと言われています。現在では、「びしょ」を「美酒(びしゅ)」と語呂良く読ませています。
美酒鍋にはたっぷりのお酒を使いますが、調理する過程でアルコール分は飛んで、お酒の旨味だけが残るので、お酒が飲めない方はもちろん、お子さまでも安心して楽しむことができます。
あなご飯は、廿日市市宮島の郷土料理で、炊きたてのご飯の上に蒲焼きにしたあなごを敷き詰めたもの。脂がしっかり乗った地あなごの旨味を引き出したあなご飯は明治時代から駅弁としても親しまれ、宮島名物として全国に知られるようになりました。駅弁日本一に輝いたこともあり、全国的に高い評価を得ています。
今でも宮島や近隣の食事処では、各店秘伝のタレを使ったあなご飯や丼が味を競っています。お店で食べる温かいものが美味しいことはもちろんですが、冷めても味が濃くなり、美味しさが引き立つのが特長です。あなご寿司も美味で、地元の巻き寿司にもあなごはなくてはならない存在です。宮島旅行のお土産としてもおススメです。
「焼き漬物」の食文化から生まれたB(ぶちうま)級グルメ「漬物焼きそば」!
鼻孔をくすぐる“焼き漬物”の香りがあなたの食欲をおもてなし。
ふんだんに盛りつけられた町内産の旬のシャキシャキ野菜、そしてやみつきになる漬物の香りと風味がやみつきに。
この「漬物焼きそば」の始まりは、今から遡ること3年前。安芸太田町松原地区町民の方から振舞って頂いた家庭料理「焼き漬物」がきっかけでした。その美味しさと食文化の面白さに目を付けた観光協会若手職員が、苦節2年の歳月をかけて研究に明け暮れ、イベント等でのテスト販売を徹底して繰り返し、プロの料理人の最終開発期間を経て、ようやく販売開始にこぎつけた渾身のB(ぶちうま)級グルメがこの『漬物焼きそば』なのです!
広島湾一帯では、縄文・弥生時代から天然の牡蠣が食べられていたことが貝塚から出土する牡蠣殻によってわかっています。養殖への移行時期は明らかではありませんが、室町時代には養殖法が考案されたとする説もあり、長い歴史を誇る広島の牡蠣は日本一の生産量で、全国シェアのおよそ6割を占めています。
瀬戸内海の恵まれた環境で育った広島の牡蠣は、ぷりっぷりの肉厚な身で濃厚な甘みが特長です。水揚げされたばかりの鮮度抜群の牡蠣は、生食はもちろん加熱しても身が縮みにくいため、殻付きのまま豪快に焼いた焼き牡蠣や牡蠣フライ、広島の郷土料理「牡蠣の土手鍋」のほか、最近はお土産としても人気の高い牡蠣のオイル漬けなど、様々な楽しみ方ができる冬の広島を代表する味覚です。