岩手は、恵まれた自然や環境のもと、四季折々の個性豊かな農林水産物が育まれるとともに、素材の持ち味を活かした様々な料理が生み出されるご当地グルメの宝庫です。
盛岡の三大麺、県南のもち文化、県北の雑穀文化、沿岸の海鮮料理など、地方ごとに食文化の違いが色濃く表れていることも岩手の特徴です。
ぜひ、岩手に来て、岩手の食の魅力をお楽しみください。
水でこねた小麦粉を手で薄く延ばしたものを手でちぎり、鶏肉、ごぼう、にんじん、きのこなどを入れた醤油ベースの汁に入れて煮込んだ料理。名前の由来は、「手で引きちぎる」ことを方言で、「ひっつむ」と言うことから「ひっつみ」と名付けられました。
地域によっては、「とってなげ」、「はっと」、「きりばっと」と呼ぶところもあります。なめらかで喉越しの良いひっつみは、身も心もあたためてくれる岩手のふるさとの味です。
南部地方に伝わる「そば振る舞い」が原形といわれるわんこそば。茹でたてのそばをおいしく、たくさん食べていただこうというおもてなしの心から生まれた伝統の名物料理です。
お椀が空になると次々とそばが入れられ、食べた分だけ積み重なっていくお椀の山。様々な薬味をアクセントにしつつ、おなかがいっぱいになったら、次のそばが入る前にすかさずお椀にフタ!これが「ごちそうさま」の合図。
わんこそば10~15杯で、普通のおソバの1杯分になります。
平壌生まれの冷麺が、盛岡に登場したのは昭和29年頃。本場・朝鮮半島出身者がふるさとに思いを馳せて、盛岡で冷麺を作ってみたのが盛岡冷麺の始まりです。
盛岡冷麺の魅力は、小麦粉とでんぷんで作られたツルッとした食感と、コシの強い麺。そして、牛ガラなどでダシをとって旨味が凝縮された冷たいスープ。
辛いのが苦手な方や自分で辛さを調節したいという方には、冷麺とは別にキムチが付いてくる、「別辛」がおすすめです。
小麦から作られた温かい平麺に、キュウリやネギ、 特製肉みそをよく絡めて食べる作法が特徴のじゃじゃ麺。
お好みで、 酢やラー油、おろし生姜、おろしニンニクなどを加え、自分だけの味の変化を楽しみましょう。最後のお楽しみは、生卵をお皿に割り入れ、ゆで汁と肉みそを加えた「チータンスープ」。 この仕上げがなければ、「じゃじゃ麺」を食べた気がしない、というフ ァンも多いです。
岩手町産のキャベツを中心に、季節の旬の食材で作った焼きうどん。オリーブオイルで炒め、特製の塩ダレ、ブラックペッパーでピリッと味を調えた焼きうどんの上に、岩手町産の肉をトッピング。白ゴマで風味豊かに仕上げた「あっさりしてヘルシーな塩味」が特徴です。
北上市特産の里芋を使った独特の食感のコロッケ。岩手県産の和牛や、北上市産のしらゆりポーク、岩手県内では出荷量上位のアスパラガスをアクセントに使用しています。
里芋を使用しているので、粘りが強く、クセになる口当たりが特徴です。
一関市室根町では、昭和15年以前から昭和40年代頃まで、鶏を一般家庭で飼い、祝い事など諸行事に自分たちで料理して食べており、鶏1羽から約20グラムしかとれない貴重な部位であるハラミも家庭で食べられていました。
昔から地域の家庭で食べられていた料理が、約40年の時を経て、「いちのせきハラミ焼」として復活しました。
岩手県の県南地方では、古くから冠婚葬祭や農作業の節目、季節の行事などの場面で、もちをついてふるまう「もち文化」があり、今でも生活に欠かせないものとなっています。
もち料理の種類も豊富で、あんこや雑煮、大豆をすり潰した「ずんだ」、じゅうね(エゴマ)、沼エビ、唐辛子のきいた「ふすべ」などその数は、300種類もあると言われています。 県南地方には、もち料理を提供する店がたくさんあり、一年中味わうことができます。
古くからカキの養殖を行っている岩手県では、宮古市から陸前高田市までの海岸沿いにカキの養殖棚が広がっています。きれいな海水が育てた岩手のカキは粒が大きく、秋から春までのシーズン中はカキの蒸し焼きを提供する「かき小屋」が賑わいます。
「まめぶ」とは、小麦粉に塩を少々入れて水でこね、親指大の大きさに分け、くるみと黒砂糖を入れて中身がでないように丸くしたもの。
まめまめしく、健康で達者に、無事に暮らせるようにとの願いが込められている久慈市山形町の郷土料理です。お祭りや正月などお祝いの時などに作られることが多いです。
ミネラルや食物繊維などが豊富な雑穀。かつて岩手県の県北地方では、米が育ちにくいことから、ヒエ、アワ、きび、そばなどの雑穀を栽培して、たくさんの雑穀レシピが伝えられてきました。なかでもタカキビの粉で作った団子を小豆汁に入れて食べる「へっちょこだんご」が有名。親指ほどの団子を作り、真ん中をへこませた形が「へっちょこ(おへそ)」に似ていることからこの名がついたとか。今でも伝統料理として県北地方で食べられています。